福島県硬式空手道選手権大会を世界大会の日が近いという事で世界大会ルールで行おうという話が出た。会長からね。俺もいきなりだし、ウーンと電話で言いながら反対の気持ちが出ていたんだ。もっと時間があるなら反対の気持ちは出なかったと思うけどさ。ただ世界ルールに合わせなきゃならないのも確かだし、ウチだけでなく他の道場もこれからなんだよ。なら有利不利はないし、どうせやらなきゃいけないなら今からでもいいかと思って世界ルールに賛成したんだ。世界ルールは全日本ルールより有効技が多い。全日本慣れするとスマートな組手が出来上がるが、世界大会はその点ガチャガチャしてるようだ。ただし、世界ルールに変わるからといって組手の仕方まで変える必要はないんだよ。いかに自分の組手が出来るかどうかだからさ。多少制約が少ないルールだろうと、海外の人間は全日本ルール知らないんだから、そのスタイル自体知らないんだもん。根本の多撃必殺思想が共通なら組手をいじる必要はないと考える。空手は一つ。流派が沢山なのにそれはないと考えがちだけど、空手は一つというのはスタイルは自分だけのものと捉えている。俺はその点会長にはなれねぇなぁ。今回のような決断は俺には出来なかった。
